看護師を辞めて、
別の仕事を探したいです。
看護師の仕事は責任が重すぎて、私みたいな人には合わない事に気付きました。
新人看護師の石原さん
この言葉を皮切りに、相談者である新人看護師の石原さんは、かなり思い詰めている様子で、看護師を辞めたいという気持ちを明かしてくれました。
ここでは、相談者本人にも承諾の上で、職業カウンセリングの一部を公開させて頂いています。
少し長くなりますが、石原さんと同じように、「看護師を辞めたい」と悩む人には、ここで紹介するカウンセリングの経過がきっと参考になるかと思います。
彼女はごくごく普通の新人看護師さんです。
彼女が抱えている悩みは、
「看護師が向いていないし、職場での人間関係にも疲れたから、看護師を辞めたくなった。」
でした。
"カウンセラーの感" みたいなものですが、彼女自身は、看護師を本気で辞めたいと思っているようには感じませんでした。
看護師を続けたい気持ちはあるものの、自信の喪失や不安が大きくなり、どうして良いのか分からなくなっているだけ、、、。
ざっくりとですが、そんな印象を受けました。
(この "カウンセラーの感" は、的中する事になるのですが、まずは彼女の簡単なプロフィールから。)
私が彼女と最初に出会ったのは、看護師になって約半年が経過した頃でした。
彼女の友人が、毎日辛そうな彼女をみていられなくなり、職業カウンセラーである私のところに紹介してきました。
彼女は、地方出身・東京在中の20代女性、1年目のピカピカの新人看護師さんです。
地元の高校を卒業後、看護学校に入学し、ストレートで看護師免許を取得しました。
新人看護師として、東京の総合病院に入職したのですが、なかなか上手いこと馴染めず、少しうつっぽい状態がで始めていたようです。
彼女は、私のカウンセリングで転職を決意するのですが、これが彼女の人生をポジティブなものにする良い転機となりました。
まずは、彼女の当時の状況から説明していきます。
彼女の悩みは、
主に、この二つで悩んでいました。
先輩看護師の指導が怖くてミスしてしまい、怒られる。
怒られて萎縮してしまい、再びミス。
先輩看護師からは、毎日毎日、厳しい言葉を浴びせられる。
緊張して再びミスを繰り返す。。。
この悪循環が続けば、誰でも仕事を続けていく自信を失っていきますよね。
好きだった「看護師」の仕事が、もう嫌いになった、と泣きながら話しました。
この状況になるまで、彼女なりにかなり頑張っていたようです。
「半年頑張ったらきっと慣れてくる」って自分に言い聞かせながら、入職してからの6ヶ月はなんとか頑張ってきた。
でも、全然スキルアップしていない。
それどころか、
ミスして怒られてばかりの状態で、看護師を続けていく自信がなくなりました。
もう辞めたいと思うようになりました。
彼女は少し混乱している様子でしたが、苦しい想いを自分の言葉でなんとか絞り出してくれました。
努力しても努力しても、目に見える結果として現れない
こんな状況は、誰でも辛いものです。
そこに、先輩看護師からの厳しい言葉や、周囲との人間関係が上手くいかなければ、挫折しそうになるのも分かります。
だけど、なぜ、彼女はここまで追い詰められているのに、まだ辞めていないのかが気になりました。
ここが最初に感じた、"カウンセラーの感" として感じた違和感です。
彼女が、ここまで追い詰められているのに、看護師をまだ辞めていない理由がありました。
大きくは、この二つ。
(学生時代の奨学金で困っている看護師さんは本当に多いですよね。)
親からは、「もう少し頑張ったら、慣れてくるんじゃない?」とアドバイスされたようですが、
本人の心情としては、「正直もう辛い」というのが本音のようです。
辞めたいけど、辞めるわけにはいかない。。。
まさに板挟みの状態です。
私の職業カウンセリングのスタイルは、辞めた後に待っている現実をお伝えする事からはじめる事が多いです。
無責任に、「辞めたいなら、辞めた方が良い」なんて事は絶対に言いません。
でも、このまま、無理して仕事を続けても、彼女の心が壊れていくだけです。
私は、彼女の話を聞いた上で、
まずは、そんな話から、始めてみる事にしました。
彼女の話を聴いたあと、私は、このように話しました。
今は辛い状況という事はよく分かった。
もし、本当に看護師が合わないなら、今すぐにでも、辞めるべきと思う。
世の中の仕事は、看護師や医療職だけじゃない。
でも、もし、少しだけでも落ち着いて考えられるなら、看護師を辞めた後に起こるであろう現実的な問題とか、心情的な問題を理解したうえで決めた方が良い。
なぜなら、これまで、いきおいだけで辞めていった看護師に「辞めて良かった」と思える人がいないからです。
さらに、今の話を聞いただけでは、あなたが本当に看護師という仕事に合っていないという事に確信が持てない。
きっと、自分でもまだ整理がついていないと思うし、今の段階で辞める事を決意するのは早すぎる気がする。
そして、私からのアドバイスに耳を傾ける事ができそうか、彼女に確認を行いました。
これは、カウンセリングの過程の中で、相手に同意を得るという非常に重要な場面です。
聞く耳を持っていない状態では、いくら話しても心の壁が全てをブロックするからです。
彼女は、気持ちの整理ができたからなのか、悩みを口に出した事で少し気が紛れたのか、思いつめている様子は既に和らいでいて、彼女の気持ちは、ほんの少しだけ前を向き始めているようにも感じました。
そして、彼女は小さな笑みを浮かべながら、私の話を聞いてみる事に同意してくれました。
結論から言うと、看護師を続けるために、今の職場から転職するという中間の選択肢を選びました。
このような意思決定です。
彼女は、看護師の道を逃げのではなく、
自分を苦しめている"今の環境"から離れ、自分の生き方・働き方を手に入れるため、前進するための転職をはたしています。
今では、この転職がきっかけで、看護師としての自信と誇りを取り戻し、今でも現役バリバリの看護師として仕事を続けています。
もちろん、実際の転職については、人材紹介会社の力を借りたので、私のヒアリングは、あくまでも "前向きになるきっかけ" に過ぎません。
彼女には、新人看護師や3年目以内で、比較的早い転職を希望する看護師のサポートに長けているところが最適だと考えて 【カンゴルー 】 を紹介しました。
職業カウンセラーの立場から言うと、信頼できる転職サイトはそれほど多くはありませんが、大手の中では、【カンゴルー】が信頼できます。
看護師専門の転職サポート部門があり、ここのサポートは手厚いので、辞める前に一度相談してみて下さい。
登録は必要ですが、無料で相談できるので、使いやすいと思います。
もし、看護師を辞めたいと考えているなら、それを実行する前にもう一回だけ、自分にチャンスを与えてみるというのはどうでしょうか?
別の職場を体験してみて、それでも本当に自分に合っていない職業と言えるのか?
それとも、今回の悩みは単に職場環境に恵まれなかっただけなのか?
どうせ辞めるのであれば、それを確認してからでも良いと思います。
「本当にあの時辞めて良かったのかな、、、。」「辞めない方が幸せだったのかな、、、。」そんな事ばかりを考えてしまう日々がやってきます。
事実、
看護師を辞めようと決意したけど、一緒に話し合い、私からのアドバイスを受けた後、自ら転職を決意した看護師が多数います。
違う職場に転職した結果、現状が一変し、今では、当時の私への悩み相談が笑い話になるくらい、看護師として生き生きと、そして自分らしく頑張っている看護師がいます。
私に相談してくれた彼女も、今では「あの時に辞めなくて本当に良かった。」と話します。
今回紹介した仕事の悩み相談に来てくれた新人看護師さんも、今では中堅看護師として、当時とは別の職場で後輩指導に当たっています。
そして、当時の自分のように苦しんでいる新人看護師や、若手看護師を優しく、そしてパワフルにサポートしているそうです。
多数の看護師のカウンセリングを行ってきたなかで、以下の項目当てはまる新人看護師さんは、辞める前にまずは他の職場をみてみた方が良いと思っています。
こんな環境なら、看護師を辞めたくなって当たり前です。
ダラダラと今の職場でつらい時間だけが過ぎても、心が疲弊するだけなので、できる事なら今すぐにでも転職した方が良いとさえ思っています。
ただし、転職先を探す方法には、いくつかの方法がありますが、自分一人で動こうとして転職に失敗した人もいるので、気をつけてください。
もし不安なら、転職サイトを使う手もあるのですが、その場合は、看護師専門で、尚且つ、転職を徹底的にサポートしてくれるタイプの転職サイトにしてください。
他施設の職場環境・人間関係に詳しくないなら、利用するメリットは相当にあります。
ただし、転職サイトにも良し悪しや、優劣があるので、転職サイトを利用する際は、優良の人材紹介会社が運営するサービスから選んでください。
→ 医療職専門のカウンセラーが相談者におすすめした看護師転職サイト
彼女が転職して手にしたのは、「自分に合った職場に出会えた事」なんてありきたりで、表面的な事に止まらないと思っています。
この転職をきっかけに、一人の看護師として、しっかりと自信をつける事ができ、看護師の仕事にやりがいや充実感を感じれるようになった事だと思っています。
ここまで来れたら、もし、後々看護師を辞めてしまったり、結婚・出産・育児などによって、一旦現場を離れる事になったりしても、いざ看護師復帰するとなった時に、いつでも・どこの職場に行っても生き生きと自信をもって仕事に取り組める看護師になっているはずです。
もし、看護師を辞めるたいと思っているなら、もう動き出すべきタイミングにきているのかもしれません。
新人だからとか、1年目だからとか、そんな事を言っているうちにどんどん疲弊してしまい、結果的に看護師を本当に辞める事になってしまっては全く意味がありません。
今の行動が、自分の将来を変えてくれます。
将来を見つめて、ポジティブに動き出してみてください。